NHK日本賞「独裁者の部屋」第1話あらすじと感想の記事に、感想を教えて下さいというコメントを頂きました。
実は、再放送の紹介記事を書いた身でありながら、1〜4話を見逃してしまったのです。放送1週間前になったら録画予約をしようと思っていたのに、録画をすっかり忘れていました。
再放送に気づいた後に慌てて予約した、5〜8話だけを見ることができました。感じることの多い番組でしたが、簡単に感想を書きます。
労働を讃える歌
一番印象的だったのは、クリップ拾いの労働を楽しむために、参加者が歌を自発的に作り歌いながら作業する場面でした。
解説では、「労働を讃える歌を作った」という表現でした。私は、日本で古くから伝わる田植えなど農作業中に歌う歌や、戦時中歌われた軍歌などを連想しました。
独裁制の生活に慣れ、単調な労働をはかどらせるための歌を作り出すまでに、たった8日間しか必要なかったということが驚きでした。
日光を浴びない生活
途中で自ら境界線を越えて脱落した、眼鏡をかけた男性がいました。
私は、彼が耐えられなかったのは「日光を浴びない生活」と、時計がなくブザーによって「時間を支配される生活」だったのだと思います。
日光を浴びない生活は、生理的に体調不良の原因になると思います。
朝起きたらカーテンを開け外の光を取り入れる、というのは睡眠の質を高める上でも、うつ病など精神的ストレスを軽くするためにも有効だと言われています。
日光を浴びることのできない生活を続けていれば、誰であっても身心にストレスがかかると思います。眼鏡をかけた彼は脱落時、「こんなに自分を情けないと思ったことはない」というようなことを言っていましたが、精神的なストレスが大きくなり、不安感や劣等感が高まっていたのだろうと感じました。
時間を支配される生活
また、彼にとって大きなストレスになったもう一つの原因が、時間に関するものだったと思います。
会社員から専業主婦になり母になり、時間の使い方の裁量が【小 → 大 → 小】と変化してきました。
自分のやりたいことがあるときに、自分の時間を支配されるストレスはものすごく大きいと感じています。
例えば、会社員時代。
週末友人と遊ぶ約束があるのに仕事が入って約束をキャンセルせざるを得なくなった。
帰宅後やろうと思っていたことがあったのに、仕事が終わらず残業し家では何もできない日が続いた、など。
また育児中の今なら、お皿を全て洗いたいのに赤ちゃんが泣いて中断せざるを得なかった。
ゆっくりお風呂に入ったり、落ち着いた気持ちでトイレに入りたいのに、それができない、など。
やりたい、と思ったことを自由にやれる時間があるというのに慣れていたら、「時間を支配される生活」には耐えられないと思います。
脱落した彼は、学生であり、起業して会社を運営する経営者であったと思います。「これをしたい」という熱意を強く持ち、やりたいことを実現する生活をしていた彼だからこそ、自ら脱落表明するくらいのストレスを感じたのだと思います。
最後までお読み下さりありがとうございました。
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