英語育児でおすすめの方法の一つが、以下記事で紹介している原作と翻訳版の読み比べ。
【関連】英語育児にオススメ。英語絵本の原作と日本語翻訳の読み比べ
我が家には「はらぺこあおむし」(The Very Hungry Caterpillar)や「くまさんくまさん なにみてるの?」(Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?)などがあります。
「くまさんくまさん〜」の絵本を読んだとき、英語版と日本語版では絵が全然違うじゃないか、とびっくりしたのがまだ長男が1歳だった3年前。
やっぱり原作で読む方が良いなぁと思っただけでしたが、つい先日図書館から借りた「すてきな三にんぐみ」と原作の”THE THREE ROBBERS”。
長男と一緒に読み比べてみて、びっくりしました。
原作絵本と翻訳絵本で絵が違う「すてきな三にんぐみ」
最初に読んだのは日本語の「すてきな三にんぐみ」。長男は保育園でも読んだことがあるそうで、集中して3回ほど読みました。
数日後、予約していた英語版”THE THREE ROBBERS”が届き、一緒に読んでみたところ、私が絵に惹きつけられました。
ん?日本語のはこんなに絵が良いと思わなかったけどなぁ、と思って両者比較してみると、、、長男が「あれ!お月さまがないよ!」
本の裏表紙に原作は月があり、翻訳版は月がない。ブックカバーが違うことはまぁ、あることかなと。
中身を見比べると、色使いが随分違います。紙質や印刷手法が違うのでしょうか。原作の黒。夜の空の深い青。泥棒たちが持つ武器の赤。大きな満月の黄色。泥棒に連れて行かれる子どもたちの顔の色。家の看板に降り積もった雪の白。原作はどれも暖かくて美しいんです。
そして、原作には描かれている鳥の影、子どもが手に止まらせた鳥、三にんぐみが作った村の背景にある黒い山と満月などが消えています。
また、木の描写、家々の描写、内面がにじみ出る子どもたちの表情の描写。これらが簡略化され、違った絵になっているのです!
そして意味深長なのが、ふかふかのベッドでティファニーちゃんがベッドで寝ているシーン。部屋の窓の外に映る月の形が原作では満月。日本語版では三日月。文学作品の深読みをするのが好きな私にとって、満月と三日月では作者のメッセージが全く異なるものだと反射的に思ってしまうので、これには驚愕しました。なぜ三日月になったのか、気になって仕方がない。
調べたところ以下の論文が見つかりました。2009年、東邦学誌に掲載された古市久子さん、西崎有多子さんの論文です。
6〜7ページの泥棒たちが山をおりて歩いていくシーンは、原作と左右反転しています。これについて
出版した偕成社に確かめると、絵本は左から右へ進んでいく。原本では泥棒が反対の方向に向かっていて不自然である。そこで、原作者の許可を得て、左右を反対にしたということであった。
とあります。
絵本の翻訳は、絵はそのままにテキストだけを差し替えるものだと思っていましたが、絵に変更を加えることもあるのですね。
お子さんとぜひ日英絵本を読み比べてみてください
絵の違いに気づいた長男は、全てのページをじっくり見比べ「こっちはこうなってる!!!」と興奮しながら間違い探しをしていました。
楽しさと驚きでその後帰宅した夫にも絵本を見せながら、違っている箇所を力説していました(笑)
イラストについていろいろ言ってしまいましたが「すてきな三にんぐみ」の訳は非常に素晴らしいです!日本語の絵本、ぜひお子さんと読んで見てください。そして、お近くの図書館にあれば英語版と見比べてみてください♪
#こーくん4歳5ヶ月
#まーくん2歳4ヶ月